自受法楽の境涯を求めて

　　
　　　ヤマブキソウ

　　「こごみ と たらっぺ　・・・つまみ になった？・・・
　　　あんまり 美味しかったので・・残りを みんな貰ってきたのよ」


　　「採りたてだから・・・美味しいんだよ・・きっと・・・」


　　「御主人が　採りに行くのが好きなんだって・・・
　　　でも 彼女は　少しも喜んでないのよ・・・
　　　そんなもの採りに行く暇があったら・・家の周りでも・・片づけてもらったほうが
　　　助かるのに・・・と言っていたわよ・・・

　　　遊びにも 温泉にも 何処にも連れて行ってくれないし・・・
　　　家のことは 何もしてくれないって・・不満を爆発してたわよ」


　　「よわった人だね・・今　自分がおかれている立場に
　　　感謝出来ないもんかね・・・」


　　「感謝できるくらいなら・・苦労しないわよ・・・
　　　若いころは感謝したんでしょうけど・・・

　　　年を取ってからも・・女房を大事にして・・・
　　　喜ばしてくれなければ・・女は不満なのよ」


　　　
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