自受法楽の境涯を求めて

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　湖畔の宿のメロディー
　を車中で聞いてから左折して、ゆうすげの道入口の駐車場へ

　「何よ　これ！　レンゲツツジどころかヤマツツジも
　　咲いてないわよ」

　「ボタンザクラがさいてるね　長峰公園のツツジが終わったので
　　ここが丁度いいと思ったんだけど」

　「赤い蕾だから　一二週間経てばいいわね　それより
　　あなた！　すばらしい新緑よ！」

　「うん・・・いい色だね」

　「この色　撮ることできるの」

　「撮れるわけだけど　私の腕では　まだね」


　

　　
　　二人は手をつなぎながら湖畔に向かう
　　湖水と林の間の細い脇道を歩いて行くと新緑の枝の隙間に
　　冷たい風に乗って湖面が輝いている

　「あの倒木の下あたりだよ　去年来た時大きい鯉が、緋鯉も
　　たくさんいたんだけど」

　「あれ！　木かしら」

　「おお！　あの大きい口みえる？　白ぽい　
　　１ｍは　あるね　尾がしろいけど」

　「病気かしら　かわそ」

　「ここで一休みして　新緑の林のキスシーン
　　ワンカットどう」

　「キスシーンね　人が見てない」

　「今度は三脚持ってきて撮っておくか」

　「それ飾っておくの？」

　
  

　　

　

　

　

　「一週間前お寺に聞いたら二分咲きだとゆうから今日にしたんだけど
　　今度の土日当たりが最高かね」

　「入園料６００円のとこ、今日はまだ早いから５００円だって」

　「樹齢６５０年だったわね　去年来たときは中腰にならないと
　　花の下　歩けなかったんじゃない」

　「あの老体を支えているコンクリートの柱が邪魔だね」

　「ピンクの花は　近くで見ると綺麗ね！」

　「歌の会の食事会は　ここに寄ってからにするかな」

　「じゃー道順をよく覚えといて」

　「塙保己一誕生の地の看板を右折して　長瀞に向かって
　　道沿いにまっすぐ　エッソのスタンドを右折して直ぐ」

　「だいじょうぶよ　あなた」
  

　　
　
　　
　　


　　


　　

　赤城自然園は新緑がまだ早かった

　「四月に新しい会社でオープンしたんだけど、駐車場の係員も親切で、
　　おわいそうもいいし、行きあう制服を着た案内の人たちずい分
　　いるけど、みな帽子を取って挨拶するのには驚いたね」　

　「教育がいいのよ、きっと！　　新緑が　いまいちね
　　来週お友達を連れてこようかな」

　「カタクリがまだこんなに咲いているのね
　　ハクサンシラネも　すごいわね」

　「このシャクナゲは　みごとだね　　大きいつぼみ！」

　「咲いているのは　まだ何本かね　ニリンソウが　びっしり・・」

　「案内図を見ると　手洗い場が六ヶ所あるけど　飲料水と書いてないから
　　飲む人いないね　美味しいよ！　　飲んでごらん！！」

　「うあ！　つめたい！　おいしい！　塩素が入っていないみたい」

　「売っている水よりウマいはずだよ　地下２８０ｍの赤城山の地下水　
　　だからね　検査もしてあるし心配ない　飲料水とすると塩素を入れないと
　　許可にならないそうだよ　それに花に塩素の水やれないからね
　　ボトルのお茶あけて　これ入れていこう！　」

　「今夜　美味しい一杯飲めるわね」