自受法楽の境涯を求めて

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　　「土手の上は風が強いから・・こうやって歩こう・・・」


　　「わぁ～　ピッタリくっついて・・・これなら寒くないけど・・・

　　　山ぎわに行ったら・・・手をつなごう」


　　「車がずいぶん入ってくるね　申し訳なさそうに挨拶していくけど・・・

　　　道路じゃないんだから　車を入れなければいいのにね

　　　大事な自然を残しておかないとね」



　　「市民運動が盛んなとこは　土地を買ってまで自然を増やして

　　　いる所があるのよ」


　　「ここだって　近くに三本木工業団地が出来たんだろう・・・

　　　道路も作ったし　老人も増えていくんだから・・・

　　　自然の憩いの場所にしないとね」


　　「あなた！　ネコとカラスが何か取りっこしているわよ・・・

　　　近寄ってもネコは逃げない」



　　「さっきの車がトランク開けていたから・・餌を置いていったんだろう

　　　ネコは夢中で食べているから逃げるのを忘れているんだよ・・かわいそうに」



　　「さんざん　ネコに癒されておきながら・・・

　　　嫌になったから・・捨てたのかね」  

　　


　　「お葬式が二か所よ、通夜も行っているから・・・連日よ・・

　　　あなた　の方は　ここのところないわね」


　　「僕の方は　友達が芳子のようには多くないからね・・・

　　　今度の葬式は自分になるかもしれない」


　　「あなた！　まだ　やっておきたい事があるでしょう・・ゆっくり出来ないわね

　　　私も応援できるといいんだけど」


　　「芳子の方も　生きがいの仕事を持っているんだから・・・

　　　大変だろうけど　仲間を増やしていけば何とかなるだろう・・・

　　　私の方は　自分でやる以外ないから・・・・・・

　　　二人の今年の目標　に乗って頑張ってみるよ」  

　　


　　「次男夫婦が、お母さんの所へ　たまたま寄ったのね・・・

　　　そしたら　お母さん　コタツで倒れていたのよ

　　　すぐ手配して　前橋の有名な脳外科に連れ込んだのが良かったのね・・・

　　　一命を取り留めて・・今はもう大分よくなって・・・

　　　相手を見て話ができるようになったのよ」


　　「それは良かった　よかったね！

　　　我々も気を付けないとね　何時どうなるか解らないからね」


　　「あなた！　気お付けようがないでしょう・・・一寸先闇なんだから・・・

　　　無理ね・・・なるようにしかならないのよ」


　　「だからさ！　次から次えと押し寄せてくる苦難を　ちょうど波乗りを楽しむように

　　　乗り越えていくんだよ。　そのために信仰してるんだから・・・」



　　「そうよね　悪いことが起こらないように　良いことがあるように

　　　信仰しているわけではないわね」



　　「仏道修行で培った力で　苦しみを楽々と乗り越えていくわけだね

　　　そして　また一回り大きくなるわけだから・・・徳も備わってくるし」


　　  

　　


　　「私は　雪が降ってから　ここは初めてよ・・・まだ　こんなに凍っているんだ」


　　「手を放して・・どのくらいスベルか練習してごらん・・・

　　　車とおなじでね・・・下り坂は怖いよ・・・横歩きで・・・ゆっくり・・・」


　　「あなた！　　午前中は　お友達を　お見舞いに行ってきたのよ・・・

　　　まだ　目が開いていないけど　うなずいて答えているから・・

　　　頭の方は異常がないと思うけど・・・」


　　「大変だね　去年１１月に長男を亡くしたばっかりなのに・・・

　　　そのショックで倒れたのだね・・・」

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　つづく

　　　  

　　
　　　小野上温泉駅


　　
　　　旅館の窓から朝日が当たる十二ケ岳


　　
　　　旅館の下　吾妻川


　　「あなた！　　やはり大きいホテルと違って　もてなし　が違うわね

　　　食事をお部屋に持ってきてくれて　いろいろ説明してくれるのがいいわね

　　　お部屋もそうだけど　いろんなところに心遣いがみえて・・・嬉しくなっちゃう」


　　「高額を出せば　いくらでも良いところはあるけど、一万円前後では

　　　ホテルは旅館にかなわないでしょうね。

　　　お料理は全部　手間のかかった手作りで、少し高いホテルの料理にも負けない

　　　ね、味の方は段違いかな」


　　「ほんと・・・どれも美味しいのよね・・説明してくれる通り手間がかかっているもの

　　　・・・すごいわね・・女将が経営してるんでしょう」


　　「猿ヶ京の旅館は一流の板前だったけど、ここは全フタッフが女性のようだね

　　　いいところに巡り合えてよかったね」  

　　

　　　甘楽町の楽山園と隣接の公園

　　


　　


　　


　　


　　　昨日降った雪も、夕方からは　みぞれ　になり・・今日は晴天になりました。

　　　凍った雪が薄く残っているだけです。

　　　大雪の被害が出ているのに、残念　とは誠に申し訳ないことです。  

　　


　　「本来なら　今日は私の初七日になるところなのよ・・・

　　　そうならないで生かせてもらったのは、何か使命があるのかしらね」


　　「この間の事故のことかな・・・」


　　「そうよ　あの時　スリップ事故で止まっている車をよけて対向車線をはみでて　もとに

　　　戻る時　前方から来た車が私の車の後部をコスッテ・・から私の後続車にブツカッタ

　　　のね。ぶつけられた人は　頭に包帯しただけで戻ってきたので、人身にならなかった

　　　の・・・全員調書とられなくて済んだのよね」



　　「関係した車が６台だったね・・坂を上っていく貴女の側は凍っていて、下ってくる側は

　　　乾いていたのでスピードが出てたわけだ。

　　　下りの車が　まだ遠くに見えたので　右に出てトラックと３台の車の前に出ようと

　　　左に戻すのが１秒遅れたら・・正面衝突になっていたわけだ。

　　　怖いね　一瞬の出来事だね」


　　「人間　何時どんなことになるか解らないわね」

　　　  

　　


　　


　　


　　「あなた！　　まだ咲いてないわね・・・」


　　「一分咲というとこかね　香りが漂うところまではいかないね」


　　「この寒いのに　えらい花ね　私達が目指しているのと同じね」


　　「逆境の中で誇らしげに咲いているものね・・・たいしたものだ

　　　人間が見習うことかもしれないね」


　　「この生命力が私達の心を癒してくれたり明るくしてくれるのね」


　　「人間らしい境涯で生きている時には　その花の力が

　　　感じとれるでしょうね」  

　　


　　「神社にお参りに行く人って　まだ居るのね・・・

　　　願い事がそんなにあるのかしら・・・」


　　「いや！　　ちゃんとした目的があって行っている人は少ないと思うよ

　　　遊びなんだよ・・・もし本気で信じて拝んだら・・・とんでもない事になっているよ・・・

　　　仏様を信じる人が少ないので、神様は護る役目を失い　天に帰ってしまっている

　　　わけだろう・・　その空家に悪鬼魔神が入り込んでしまっているので・・・

　　　信じて拝めば　その悪い命が感応して　四悪道の境涯になってしまうよ」



　　「皆　それを知らないで行っているのね・・・

　　　結局　信仰心がないのよ・・・ただ習慣で行くだけよ・・・

　　　他人が行くから自分も行くんでしょう・・・

　　　同じにしたいのよ」



　　「正月は神社に行き　法事はお寺に行き　結婚式はキリスト教で

　　　旅行先では　何にでも手を合わせるんだろう」


　　「正しいものを信じるならいいけど　間違ったものや悪いものを信じたら・・・

　　　馬鹿を見るわよね・・・

　　　でも人間は、いろんなものを信じて生きていかなければならないし

　　　何かを信じなければ、幸せにもなれないわけだから・・・」



　　「そうだよ！　自分の愛する人を信じなければ　幸せにはなれないし

　　　でも　もし悪い相手だったら不幸になってしまうよね」


　　「そこが問題ね・・・」  

　　
　　　藤岡　竹沼


　　「竹沼は大塩ダムより明るい感じね」


　　「４．３キロあるから歩きでがあるし、昔のままだから・・・自然があるかな・・・

　　　歩く人が少ないし　入り江が深くて幾つもあり前を歩く人が見えないから

　　　女性一人では・・淋しい感じかね・・・」


　　「手をつないで歩くのに　ちょうどいいね・・・」


  

　　


　　　家じゅう揃って、お寺に詣でて、新春を祝い、仏様に去年の報告と今年の決意を

　　　誓ってきました。

　　　ご住職の法話を歓喜の内に聞いてまいりました


　　「あなた　大勢なので子供たちは　おとそ　を頂かないで帰ってしまったようよ」


　　「遊ぶのが忙しいのだろう・・・私達二人も、二人だけの三大目標を、今年は全部

　　　成就させて・・人生最高の華にしたいね」


　　「今　現在　最高の幸せを持てなければ・・・何も始まらないよね」


　　「その通り・・・　ガンバロウ・・・」