自受法楽の境涯を求めて

　　「今日　美術館にお友達の絵を見に行ったのよ・・・
　　　そこでね 昔の同級生に会ったのよ・・・
　　　彼女も お友達から招待されていてね・・・
　　　お友達の絵の前で・・三人で 女の長話が始まったのよ・・・」


　　「絵の批評が 始まったのかい」

　　「そうじゃないのよ・・・会えて元気がもらえて嬉しいの連発なの・・・
　　　私が元気を分けてやったわけでもないのに・・ 元気もらえた と言うのね・・・
　　　どう言う意味なのか 貴方わかる？ 」


　　「それは お世辞じゃないかな・・・
　　　あなたみたいないい人に会えて嬉しい事を　オーバーに言ったんだろう・・

　　　テレビ見ていても 皆よく使っているよね・・・

　　　流行り始めは 本当に励まされたお礼に使っていたようだけど・・・
　　　最近は どんな場面でも使われるようになってきたな・・・

　　　　すぐ真似をして流行していくからね・・・」


　　「皆　元気を貰いたい程 弱いのかしら・・・
　　　それとも 不安なのかしら・・・

　　　いろんな悪い出来事が次々と起こるし・・これから先も 心配事が多くて・・・
　　　つい 自分に負けそうになる時が 私にもあるけど・・・

　　　だから一人ぼっちになるのが恐いのかな・・・
　　　自分を理解してくれる人が ほしいのかな・・・」


　　「我々は 信仰を持っているから・・不安にはならないけど・・（間違った信仰では
　　　無論だめだけど）
　　　信仰をしてない人は・・なかなか大変でしょうね・・・

　　　本来 元気は人から貰うものではなくて・・自分から湧き立たせるものでしょう
　　　不幸も そうだよね・・人が不幸にするのではなくて・・
　　　自分が不幸を感じるんだよね・・・」


　　「幸せも・・そうでしょう・・・」


　　　
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